1.家電リサイクル法とは?
一般家庭から排出される家電製品には、鉄、アルミ、ガラスなどの有用な資源がたくさん含まれています。使用済みの家電は、以前はそのまま埋め立てられていることが多くなっていました。しかし、埋立地が減少してきたこともあり、これらの資源の有効利用と廃棄物の減量を促進するため、家電リサイクル法という法律が設けられました。家電リサイクル法の対象となるのは、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の4品目です。これらの家電4品目を廃棄する場合、有用な部分や材料はリサイクルが義務付けられているため、通常の市町村のごみ収集に出すことができません。家電4品目を処分する際には、電器店に引き取りを依頼したり、指定引き取り場所に持ち込んだりする必要があります。なお、家電を引き取ってもらう際には、リサイクル料金と収集・運搬料金を払わなければなりません。リサイクル料金はメーカーによって異なり、収集・運搬料金は小売業者によって異なります。
2.家電の出し方
・買い替える場合
家電リサイクル法の対象である家電の買い替えにより古い家電を処分する必要が生じた場合には、買い替えをするお店に古い家電の引き取りを依頼することができます。販売店には家電を引き取ってリサイクルする義務があります。実店舗に限らず、通販やネットショッピングの場合も同様です。ただし、販売店に引き取りを依頼できるのは、同種の製品の買い替えの場合です。たとえば、冷蔵庫を買って、テレビを引き取ってもらうことはできません。なお、家電を引き取ってもらうときには、収集・運搬料金とリサイクル料金を支払い、リサイクル券の排出者控を受け取ります。買い替えの際には、商品代金以外のお金がかかることになりますから注意しておきましょう。
・処分する場合
買い替えではないけれど、使用済みの家電を処分したいこともあると思います。リサイクル対象の家電の処分のみを考えている場合、その家電を購入したお店に引き取りを依頼することができます。引き取り方法はお店によって違うため、引取先に確認しましょう。
購入したお店がわからない、遠方になってしまった、お店が廃業したなどの理由で購入店に引き取りを依頼できない場合には、市町村によって処分方法が異なります。市町村役場に問い合わせ、処分方法について案内してもらいましょう。その他に、使用済みの家電を自分で指定引取場所に持って行く方法もあります。この場合には、事前に郵便局でリサイクル料金を専用の振込用紙を用いて支払います。
3.リサイクル料金
・エアコン
エアコンを処分するときには、定められたリサイクル料金を払う必要があります。エアコンは室内機と室外機がセットになっていますが、室内機のみ、室外機のみを処分する場合でも、両方処分する場合とリサイクル料金は同じです。エアコンのリサイクル料金はメーカーごとに定められていますが、2020年4月現在、税込で990円または2,000円となっています。なお、リサイクル料金は改定されることがあるため、その都度確認するようにしましょう。
・テレビ
テレビを処分するときに支払うリサイクル料金は、テレビの種類及びメーカーによって異なります。テレビの種類では、ブラウン管式、液晶・プラズマ式で分かれており、大型か小型かでも料金が変わります。大型は16型以上、小型は15型以下ですが、前面のパネル部に表示されている型番等で確認できます。たとえば、2020年4月現在、液晶・プラズマ式の大型の場合には税込で2,970円か3,700円、液晶・プラズマ式の小型の場合には税込で1,870円か3,100円です。
・冷蔵庫
冷蔵庫を処分するには、リサイクル料金がかかります。冷蔵庫のリサイクル料金は、冷蔵庫の大きさによって変わり、メーカーによっても違ってきます。冷蔵庫の大きさは、171リットル以上のものが大型、170リットル以下のものが小型になります。2020年4月現在、大型冷蔵庫のリサイクル料金は税込で4,730円または5,600円、小型冷蔵庫のリサイクル料金は税込で3,740円または5,200円とされています。区分なしとされるものについては4,730円または5,060円です。
・洗濯機
洗濯機は家電リサイクル法対象品目です。なお、この場合の洗濯機には、洗濯乾燥機、全自動洗濯機、2槽式洗濯機、衣類乾燥機などが含まれます。付属の洗濯かごなども対象になります。洗濯機を処分するときには、定められたリサイクル料金を払う必要があります。洗濯機のリサイクル料金には大小の区分はありませんが、メーカーによって異なります。2020年4月現在、洗濯機のリサイクル料金は税込で2,530円、2,640円または3,300円となっています。